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社会、顧客、地域とつながるナラティブ。『未来スクリプト 世界を変える「物語」のチカラ』

社会、顧客、地域とつながるナラティブ。『未来スクリプト 世界を変える「物語」のチカラ』

2024年4月20日にテレビ東京で放送された『未来スクリプト 世界を変える「物語」のチカラ』。第3弾となる今回は、NTTデータ・SBSホールディングス・松永建設に密着し、その活動内容がフォーカスされました。MCを務めるのは前回同様に別所哲也氏。コメンテーターは小倉優子氏、鈴木奈々氏、藍井すず(Appare!)氏で、本田哲也がナラティブの最前線を分析しました。

日本初のウォークスルー店舗を支える、ナラティブな開発体制

2023年10月27日に横浜にオープンした「CATCH&GO」は、レジを通さずに商品の購入ができる日本初のウォークスルー店舗として話題になりました。そのシステムを開発したのがNTTデータです。

CATCH&GOの入店は専用アプリに決済手段を登録し、QR コードをゲートにかざすだけ。商品を選んでお店を出るだけで決済完了というシステムです。

「スマートフォンに専用アプリをダウンロードして、クレジットカードを登録します。あとはQRコードをゲートにかざすことで入店できます。お店の中に入ったら商品を手に取って、あとは出るだけで買い物ができます」(CATCH&GO企画担当 課長 新原友美氏)

「店舗の天井につけられているカメラと、商品棚の下に付いている重量センサーから取得されるデータをAIが解析して、お客さまがどの商品を買ったかを特定しています。今日の取材の間にもたくさんのお客さんにお買い物いただいて、便利に使っていただけていると感じます」(CATCH&GO企画担当 課長代理 西郷拓海氏)

NTTデータの社内には、CATCH&GOをはじめとする日本各地で行われている電子決済を監視する部屋があります。ここは24時間、365日稼働しており、国内のどこかで異常を検知すればアラームが鳴り響き、原因はすぐさま特定されます。

「クレジットカードの取引を処理しているCAFISという場所では、システムの取引の異常を検知したり、正しく取引ができているかを確認したり、日々監視業務を行っています。想定外の事態が起きたときには、チームで集まり判断していくことが必要です」(カード&ペイメント事業部 部長 中嶋敏行氏)

この技術力を維持するため、NTTデータの渋谷にあるオフィスでは平均年齢20代の若手エンジニアたちが日々技術力と発想力の研鑽に努めています。社員からは「自分の書いたコードがサービスとして世の中に出たとき、使っている人を見るとやりがいを感じます」という声も。こういった若手の発想と思考錯誤の繰り返しが新しい仕組みにつながり、デジタル時代の競争力を強化していきます。

「本当にありがたいですね。これだけたくさんの方が一生懸命動いてくださって、どんどん便利に進化していますね」(小倉優子氏)

「1人ではなく、みんなでコードを書くというのもナラティブですね」(別所哲也氏)

「ナラティブとは社会とのつながりです。自分がコーディングしたプログラムが社会の役に立つことで、喜びややり甲斐につながります」(本田哲也)

「アリがゾウを倒す作戦」で業界に変革を起こす

私たちの社会を支えるインフラの一つである物流。その中で今注目を浴びている企業がSBSホールディングスです。創業37年、トラック1台から始まり現在の年商は4000億円超。その成長を支えてきたのがM&Aです。これまでも多くの会社と手を結び、ともに成長してきました。

同社はこれまで、後継者問題や運行管理者の配置で苦労している中小の運送会社を、M&Aによりグループに組み込んできました。これが、小さな力を結集させて大きな力を生み出す「アリがゾウを倒す作戦」です。食品配送が得意な会社、国際物流が得意な会社など、異なる会社出身の従業員が同じフロアで働いていますが、互いの強みと弱みを知ることで、顧客に最適な提案ができるようになります。

「いろいろな会社の人間が仕事をしていますが、それぞれの会社の組織体制、人事制度、給料に至るまでバラバラな状態です。そこはM&Aをして手をつけなかった点です。その意味で、いろいろな会社の社風が溶け込んでひとつのうねりを生み出しています」(IR・広報部長  熊谷知未氏)

今、物流業界は人手不足の問題や、加速するEC物流への対応などさまざまな課題を抱えています。その対策として、SBSホールディングスではロボットを使った業務効率化を進めるべく、緻密な検証や機能測定にも力を入れています。

「私が知る限り、ここまでの規模で実証・実験などの取り組みをしている物流会社はないので、それはひとつのSBSグループの特徴だと思います」(LT企画部 部長 曲渕章浩氏)

さらに、今年稼働を開始した野田瀬戸物流センターにはEC専用のフロアも新設。大企業だけでなく小さな事業者でもECに参入しやすい環境をつくり、売りたい人と買いたい人をつなぎ、商業の未来を変えていきます。

「M&Aをしても給料も人事制度も全部バラバラ。これはそれぞれの会社を尊重しながら、ひとつの物語を一緒に紡でいきましょうということですね」(本田哲也)

「1人1人は小さな力でも、みんなで結集したら大きな変革を生み出すことができますね」(別所哲也氏)

「省エネ+創エネ」でネットゼロ建築を実現

さいたま市岩槻区に本社のある松永建設は昭和38年の創業以来、地域密着型の建設会社としてこの街の発展を支えてきました。岩槻人形博物館や久伊豆神社、大宮門街など岩槻の名所、旧跡から市内の大型複合施設まで、多くの建造物を手がけてきた企業です。

新たな建物のあり方として松永建設が取り組んでいるのが「ZEB」です。ZEBとは「Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)」の略称で、消費エネルギーを実質ゼロにすることを目指す建造物です。

「ZEBの有用性と有効性を実証すべく、まずは本社ビルをZEB化しました。廊下の照明は時間帯で制御されていて、自動で暗くなったり明るくなったりします。エアコンに関しても集中制御を行っています」(営業企画部 部長代理 増野勇岐)

同社はZEBにより、電力の省エネ化と太陽光発電による創エネを実現し、電気代の50%削減に成功しています。環境・人・地域をキーワードにしたZEBの取り組みは顧客にも理解され、これからも街の発展に寄与していくでしょう。

「地域密着型の企業で、未来を考えともに歩いていく。これはナラティブですね」(別所哲也氏)

「環境の領域はナラティブが非常に大事で、国や自治体、企業、個人が結集しないとできません。そこに物語の力が必要になってきます」(本田哲也)

「地域密着だからこそ愛がありますね。松永建設の地元に対する愛を感じますし、それは素敵なことだと思います」(藍井すず氏)

「このチームで何かやりたいですね。環境問題とか環境問題にもっと私も力入れたい」(鈴木奈々氏)

IT、物流、建設。業界は違えど、各企業が独自のナラティブで社会や顧客、地域とつながり、大きな成果を生み出しています。これからの時代、企業と顧客にとってナラティブはますます重要なキーワードになっていくでしょう。

「Narrative Genes ~ナラティブの遺伝子たち~」

企業と社会の関係性が見直される時代に注目が集まる「ナラティブ」を
PRストラテジスト・本田哲也を中心に、企業経営、ブランディングの先駆者と共に考えるウェブサイト。

「ナラティブ」とは、企業と消費者(生活者、ユーザー)との「共体験」の物語のこと。
企業経営において重要な「共創」に着目した、新たなアプローチ概念です。

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