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売るだけではない、社会とつながる企業のナラティブ。『未来スクリプト 世界を変える「物語」のチカラ』

売るだけではない、社会とつながる企業のナラティブ。『未来スクリプト 世界を変える「物語」のチカラ』

2026年10月11日にテレビ東京系全国ネットで放送された『未来スクリプト 世界を変える「物語」のチカラ』。第5弾となる今回は、ロッテ・味の素・キッコーマンソイフーズの3社に密着。それぞれの企業が描くナラティブを通じて、社会課題への向き合い方と企業の進化の姿に迫ります。

MCを務めるのは前回同様に別所 哲也氏。コメンテーターに王林氏、竹下 佳江氏(元女子バレーボール日本代表)、高梨 結氏(ラフ×ラフ)を迎え、本田 哲也がナラティブの最前線を分析します。

暑い夏も楽しめる社会へ。ロッテが広げるクールシェルター

今、世界中が直面している温暖化。そして去年、流行語大賞でも注目された二季化。7月23日(木)から8月19日(水)の期間、渋谷のMIYASHITA PARKでロッテが主催する「クールシェルタープロジェクト」が開催されました。芝生ひろばおよびスケート場エリアに大型の日除けを設置し、来場者には「クーリッシュ」と「爽」を配布。この夏の「涼スポット」は多くの来場者で賑わいました。

「日本の夏の暑さと長さは社会問題になってきていて、人々が外に出る機会が減っています。今と昔ではそういった体験格差が生まれてきているので、夏を体験していただきたいという思いを込めて、このようなシェルターを作りました」
(マーケティング本部 渡辺和哉氏)

来場者に提供したいのは、暑い夏でも楽しめる涼しい体験。運営は部署を横断して参加した社員ボランティアです。「普段はシステム部に所属していますが、皆さんの日常に涼しさを届けられることは、とても嬉しく思います」「こういった一般の消費者の方にアピールすることは、すごくいい活動だと思います。続けることが大事だと思うので、長期でやってほしいですね」と参加した社員は語ります。

ロッテは湘南の片瀬西浜海水浴場、埼玉の熊谷、大阪のなんば広場など、日本各地にも同様のクールシェルターを設置。取り組みをより意義のあるものにし、継続していくために、専門家を招聘した「クールシェルター評議会」を立ち上げました。

「日本の四季がなくなるという危機感があります。暑すぎて外に出ないと、子どもたちの成長にも影響があります」
(三重大学 立花義裕教授)

「外に出れば人との出会いがありますし、子どもが今までにない遊びを創造するなど、思ってもみないことが必ずある。涼の場、日陰の場、子どもの遊びを意識した場作りは広めていくべきだと思います」
(東京科学大学 藤原武男教授)

プロジェクトはまだ始まったばかり。これからの日本の夏にロッテはどんな未来を描くのでしょうか。

「ロッテのパーパスには『しあわせな未来をつくる』という一節があります。今回のイベントの改善点や課題について、専門家やパートナーと連携しながら、日本の夏をどうアップデートしていくか。私たちだけでは難しいので、多くの方に参加していただきながら、大きな活動にしていければと思っています」
(マーケティング本部 古市丈二氏)

「今年の青森はすごく涼しくて、夏があまりなかったんです。日本の中でも涼しい場所もあれば、とんでもなく暑い場所もある。温暖化は皆が考えなきゃいけないことですね」
(王林氏)

「ロッテの部署の違う方が参加されていたこともそうだし、これからつなげていきたいという思いが子どもたち世代にも届いていく。素敵な取り組みだと思いました」
(竹下佳江氏)

「クーリッシュのパッケージの可愛いデザインをもっと広めていけば、Z世代も会場で写真撮るようになって、必然的にコミュニケーションが増えていくと思いましたね」
(高梨結氏)

「ここ最近、夏が長くなってきて二季化と言われるようになりました。本当は国がインフラを整えるべきかもしれないけれど、追いついてない。そこを企業がやっているのは素晴らしいですね」
(本田哲也)

「生活者にもありがたいことですが、参加している企業側の人を見ると、横断的に気づきがある気がします。それもある意味ナラティブですよね」
(別所哲也氏)

「いろいろな利害関係者、企業を取り巻く人たち皆で物語を作る。それが素晴らしいと思いました」
(本田哲也)

食品の研究から半導体材料へ。味の素を支えるアミノサイエンス

今や私たちの生活に欠かせない電子機器。味の素が作る3層構造のフィルムは、半導体のパッケージ基板の中の層間絶縁材としてパソコン、ゲーム機器、データセンター、AI向けサーバーなどに使われています。その世界シェアはなんと約95パーセントです。

「味の素と聞くと食品会社を思い浮かべると思います。しかし、我々は今、電子材料の分野に進化を遂げています。その根底にあるのはアミノサイエンスという考え方です。うま味成分やアミノ酸の研究過程で得られた知見が、ABF(味の素ビルドアップフィルム)の研究開発につながったものと考えています」(味の素ファインテクノ 電子材料事業部 大橋成一郎氏)

アミノ酸は三大栄養素の一つであるたんぱく質の構成成分。うま味、甘みなどの味を持ち、筋肉や骨をつくる材料として、また身体のエネルギー源として生命の維持に大切な役割を果たしています。

その研究で生まれたアミノサイエンス。人間の身体だけでなく、牛と地球環境にも配慮したこんな製品も生み出しています。

「牛にとって重要なアミノ酸であるリジンを、より効率よく吸収できるように加工した飼料です。飼料中の栄養を効率よく吸収できるので、より少ない資源で乳・肉を生産できるようになります。そのため、牛の飼料の全体に関わる温室効果ガスを減らせますし、糞尿から出る温室効果ガスの削減にもつながります」
(バイオ&ファインケミカル事業本部 杉本裕介氏)

食品から始まった味の素の研究成果が、今では電子機器など様々な分野に応用されています。まだ見ぬ未来へ向けて同社が描くビジョンとは。

「もともと私たちは、創業者の『おいしく食べて健康づくり』という志から始まっている会社です。アミノ酸のいろいろな研究を重ねていく中で、人だけではなくて地球・社会にも貢献できることがわかってきました。それが今のパーパスである『アミノサイエンスで、人・社会・地球のWell-beingに貢献する』という思いにつながっています。私たちはアミノサイエンスを通じて新しい価値を生み出し、今後も世の中のためになることをやっていきたいと思っています」
(グローバルコミュニケーション部 坂口恵理子氏)

「これは投資家としては聴き逃せない話ですね。投資界隈では半導体がビッグニュースになっていて、半導体の企業が何かをしただけで、日経平均が大きく動いたりします。今後の日本の株価を担っていくのが味の素さんになるのではないかと、すごくワクワクしました」
(高梨結氏)

「大事なのは儲かるから手を出しているのではないということ。アミノ酸から始まった会社が、一貫してアミノ酸を研究し続けた結果です。その一貫性と、未来を見ている点がナラティブだと思いますね」
(本田哲也)

「こういうことがわかると、ぐっと企業の活動に親しみを覚えますね。ただ買うだけじゃなく、応援の気持ちが生まれると、買い物という行為そのものも豊かになっていくと思います」
(別所哲也氏)

朝のたんぱく質摂取を当たり前に。キッコーマンソイフーズの挑戦

6月に大阪と東京で開催された、ソイラテのおいしさや手軽さを楽しく学べる体験型イベント「キッコーマン 豆乳の学校 ソイラテ祭」。イベントを企画したキッコーマンソイフーズは、たんぱく源として朝に豆乳を摂ることを推奨しています。

「豆乳で『朝の満たんぱく』という訴求をしている中で、朝の習慣化が一番重要だと考えています。今、日本人の朝のたんぱく質摂取量が減っているので、今後はソイラテだけではなくて、豆乳鍋や、お茶漬けを豆乳で割る豆乳茶漬けなど、豆乳との接点を多く作っていければと考えております」
(マーケティング本部 橋本わかな氏)

去年9月には「朝たんぱく協会」を設立したキッコーマンソイフーズ。大学の研究者などにも協力を求め、朝にたんぱく質を摂る重要性の認知拡大を目指しています。すでに20を超える企業や団体が参画している協会発足の狙いとは。

「朝にたんぱく質を摂ることを広めるのは、食育と同じように、社会貢献活動にもなると考えています。野菜を1日350グラム摂ることの必要性はわりと認知されていると思いますが、朝にたんぱく質を摂ることの必要性を認知している方はまだまだ少ないかなと。朝のたんぱく質が当たり前になる世の中を目指して活動しております」
(マーケティング本部 亀井淳一氏)

協会ではホームページなどを通じて、エビデンスに基づいた情報を発信しています。たんぱく質を意識した朝食の写真や、体験エピソードを募集したキャンペーンにも多くの反響が寄せられました。「朝たんぱく」というナラティブは着実に広がっているようです。この活動に寄せる大学の研究者の思いとは。

「日本の超高齢社会の中で一番の課題は、おそらく健康寿命の延伸だと思いますが、そこにも直結する活動ですよね。どれだけ一人で人の手を借りずに生きられるか。そして、何より私がこの協会に加わろうと思った理由は、利益中心ではないということです。『うちの商品が良いので買ってください』という宣伝をしてはいけない、というのがこの協会のルールです。非常に珍しいですし、何よりそこに私たちの研究成果を関わらせていただけるのはありがたいと感じています」
(跡見学園女子大学 石渡尚子教授)

「青森県は短命県ワースト1位なんですが、もしかしたら、朝ごはんの意識が低いのかもしれません。りんごを食べて豆乳をちゃんと飲んで、野菜もたんぱく質も摂ることを呼びかけたら、青森県の短命県というイメージも変わるのかなと思いました」
(王林氏)

「この活動のポイントは、朝たんぱく協会ですね。日本人の健康を考え、キッコーマンの競合企業も含めて、みんなで協力する。これはすごくナラティブな動きだと思います」
(本田哲也)
 
社会課題に向き合うロッテとキッコーマンソイフーズ、一貫した研究で進化を続ける味の素。取り組みの形は異なりますが、いずれも自社の志を起点に、多くの人を巻き込みながら物語を描いています。そんなナラティブが、これからの企業の姿を変えていくのかもしれません。

「Narrative Genes ~ナラティブの遺伝子たち~」

企業と社会の関係性が見直される時代に注目が集まる「ナラティブ」を
PRストラテジスト・本田哲也を中心に、企業経営、ブランディングの先駆者と共に考えるウェブサイト。

「ナラティブ」とは、企業と消費者(生活者、ユーザー)との「共体験」の物語のこと。
企業経営において重要な「共創」に着目した、新たなアプローチ概念です。

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